武蔵野大学にて学生60名が一斉にアプリ開発に挑戦! Clickを活用した集中講義を開催
2025年9月、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC)において、純国産ノーコード開発ツール「Click」を活用したプロトタイピング集中講義が行われました。今年で2回目となるこの講義は、9月10日(火)〜11日(水)の2日間にわたる学内講義に加え、9月18日(水)にオンライン成果発表会とTokyo Innovation Base(TIB)での公開プレゼンテーションが行われました。
伝えたいこと
Clickは、プログラミング不要でデザインとプロトタイプを一体的に作成できる純国産ノーコードツールです。直感的なデザインエディター上で、プロトタイプを即座に再生・プレビューし、素早く改善を繰り返すことでアプリの完成度を高めることができます。学生や初めてアプリ開発をされる方でも簡単にアプリを作成することが可能で、教育現場でも実践的な起業体験やデジタル人材育成にも活用が広がっています。
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC※)について
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)は、起業家精神(アントレプレナーシップ)を基盤に「ことを成す」力を養成する学部です。高い志と倫理観を併せ持ち、新しい価値を社会へ生み出せる人材を育てることを目的としています。
本学部では、実践型カリキュラムと現役実務家教員、起業家との対話を通じて、学生が失敗を恐れず挑戦できる場を用意。さらに近年では、SusHi Tech Tokyo などのスタートアップ連携プログラムや、学生ピッチ受賞実績など、学内外のチャレンジ機会を拡充する動きが活発になっています。
※EMC = Entrepreneurship Musashino Campus アントレプレナーシップ学部の愛称。
※Tokyo Innovation Base(TIB)は、スタートアップや起業家を支援するためのイノベーション拠点。
ワークショッププログラム概要
ワークショップでは、授業の開始にあたり、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の粟生教授が自身の原体験を交えて「プロトタイプの必要性」について講義を行いました。社会人として100本以上のアプリ開発や新規事業に挑戦してきた経験を紹介。その上で「アイデアは試さなければ意味がない。失敗を恐れず形にすることが大切」と強調し、Clickを活用した実践的な挑戦を学生に促しました。
続いて弊社CTOの中が、商店街DXやイベント、インバウンド対応アプリなどのノーコード開発の事例を中心に紹介しながら、実践的なClickの基礎講座、ユーザーストーリーについて講義を行い、参加者は基本的な操作方法から、アプリの構成について学びました。午後からは各自作りたいアプリのバックログを作成し、各チーム趣向を凝らしたアプリ開発に取り組みました。
- DAY1(9月10日) Clickの基礎操作を学び、サンプルアプリの制作を通じて操作方法を学習。チームごとに開発テーマを決定し、プロダクトバックログを作成。
- DAY2(9月11日) 終日アプリ開発。参加者は工夫を凝らし地域課題や自身のプロジェクトを取り入れたプロトタイプを作成。
- DAY3(9月18日 午後) オンラインでの成果発表会を実施。各チームが3分間のピッチ+3分間のフィードバックの形式でアプリを披露。
- 同日夜(TIB発表Demo) Tokyo Innovation Baseにて「EMC Night」が開催され、優秀3チームが5分間のピッチ+3分間のコメント形式で公開プレゼンテーションを実施。
受賞作品
クラシェア(プロトタイピング最優秀賞受賞)
高校生と担任の先生が希望進路を見える化、共有できるアプリ
- 現在進行中の教育系プロジェクトをもつチームが入賞
- 進路希望・偏差値・模試結果などをリアルタイムで教師に共有
- 環境の変化や状況で変わりやすい高校生の進路希望を最新の状態で共有することができる
縁旅(Click賞受賞)
デジタルスタンプラリーを活用した地域めぐり促進アプリ
- 各集落にあるスポットを巡り、貯まったポイントに応じて地元の特産品と引き換えることができる
- 自分の位置情報から近くのお店の検索や、チャット機能で最適な1日のプランを提案してくれる
Failnate(Click賞受賞)
自己成長を可視化できる日報アプリ
- 昨年も受賞歴があるFailnate
- 今年は、個人と組織両方を成長させることを目的とした日報アプリが入賞
- 表面上ではわかりにくい感情を可視化した項目や、チーム全体のチャレンジを後押ししてくれる機能を搭載
参加学生からのコメント
Click賞を受賞したチーム「Failnate」は、学び続けられる組織づくりを支援する日報アプリを開発。ピッチ後のフィードバックで「このアプリを欲しいと思う企業は多いと思う」と審査員からコメントをもらえたことが、とても励みになった。今後は実際に使えるレベルまで完成度を高めたいと語る。
続いて、同じくClick賞を受賞したチーム「縁(えにし)」は、「縁旅」の開発を通して、Clickはデザインとデータベースの連携がわかりやすく、プレビューを確認しながら作業できた。初めてのアプリ開発だったが、ノーコードでも十分に表現できることを実感したと振り返った。
最後に最優秀賞を受賞したチーム「クラビジ」は、「クラシェア」の開発を通して、チームで分業しながら開発を進められ、リアルタイムで成果を確認できた点が良かったと話し、Clickはノーコードでアプリやウェブサイトを同時に作れ、アプリの知識がない学生も始めやすかった。今回の講義を通して今後もどんどんClickを使っていきたい。そしてこれから起業したい学生に向けて「考えはあるけど形にまだできていない人などにもぜひ試してみてほしい」と語った。
担当教員:粟生 万琴からのコメント
今年もClickを使ったNocodeのアプリ開発を、約60名の学生が受講しました。これまでの学生と異なり、既に中高生時代にプログラミングを経験したことのある学生が半数を超えたのも、共通テスト情報科目が追加された背景の影響もあるでしょう。デジタルリテラシーが高くスマホネイティブな学生が、自身のアイデアを形にするプロトタイピングの授業で、初日のツールの使い方の講義は一部退屈そうでしたが、翌日からの自身のテーマを実装するパートに入ると「自分事になった」「急にやる気がでた」「アプリという形になって嬉しい」など、学生の学びの姿勢が変わりアプリとして素晴らしいOutputが出てきました。
丁寧なサポートに加え、事例紹介などどれも実践的なものばかりでした。
今後の展開について
今後も当社は、学生が社会課題の解決や新規事業創出に挑戦できる実践的な教育を推進していきます。Clickは大学での授業に加え、学生が授業で生まれたアプリを卒業後も継続開発できる仕組みづくりや、他大学・地域との合同ワークショップなどを通じ、ノーコード教育の輪を広げていきます。
粟生 万琴 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部/教授 株式会社LEO 代表取締役
エンジニアとしてソフトウェア開発に従事した後、IT人材サービス会社にて社内ベンチャーを立ち上げ、Webアプリ開発に特化した事業を手掛ける。TECHカンパニー女性初の役員に就任、イントレプレナーとして自社WEBサービス事業分社、産官学連携スタートアップ推進プロジェクト責任者として従事。2016年 関西発AIベンチャー、株式会社エクサインテリジェンス(現 株式会社エクサウィザーズ)創業 取締役COOを経て、2019年「なごのキャンパス」プロデューサー就任、2020年 ZIP-FM「Startup [N]」のナビゲーター就任。武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部教授、名古屋大学 産学官連携 客員准教授。2022年3月名古屋市教育委員就任。他、三重県 DX アドバイザー、中京テレビ放送 放送番組審議会委員等を務める。
https://emc.musashino-u.ac.jp/news/2020/11/makoto-aou/